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なぜ燃料切れで墜落したパイロットは警告を無視したのか?

夏合宿シーズンも終わりですね!


菅平合宿に行かれた選手から『菅平Tシャツ』を頂きました。


菅平Tシャツは大好きなので、めちゃくちゃ嬉しいデス❤️

必殺仕事人は、

中村主水(モンド)なので、

ボクの先祖やって、

知ってくれてたのかな。、。?笑



『失敗の科学』って、

凄い勉強になります。


なぜ「燃料がない!」という警告を、ベテラン機長は無視したのか?

最近、マシュー・サイド著


『失敗の科学』  

マシュー・サイド著


を改めて読んでいます。


この本、スポーツに関わる人は勿論、社会人としてもぜひ読んでほしい一冊です。


なぜなら、

「なぜ優秀な人でも失敗するのか?」


そして、

「失敗する組織と、失敗から強くなる組織は何が違うのか?」

ということが、ものすごく分かりやすく書かれています。


その中で、特に印象に残った航空事故のお話しがあります。


▪️飛行機は飛べた

▪️着陸もできた

それでも墜落した。


-----1978年12月28日。


ユナイテッド航空173便が、アメリカ・オレゴン州のポートランド空港へ着陸しようとしていました。


ところが、着陸のため車輪を出した際に異常が発生します。


「車輪は本当に出ているのか?」

機長は確認するため、空港周辺を旋回しながら原因を調べ始めました。

ここまで理解できます。


飛行機の着陸ですから、

慎重になるのは当然です。


しかし、

問題はここからでした。


機長は、

「車輪は大丈夫なのか?」

という一つの問題に、どんどん集中していきます。


その間にも飛行機は飛び続けています。


当然、

燃料は減っていく。

副操縦士や航空機関士も

燃料の減少を

気にし始めます。


ところが機長の意識は、

車輪の問題から

離れません。



そして最終的に燃料が尽き、

4基のエンジンが停止。


飛行機は空港に届かず、ポートランド郊外に墜落しました。


残念ながら乗員乗客189人のうち10人が亡くなる事故となりました。(NTSB⁠)


なぜ?


不思議です。


素人の僕たちでも、

「燃料がなくなったら飛行機は飛べない!」

とは思えます。


機長は新人ではありません。


長年飛行機を操縦してきた経験豊富なベテランです。


ではなぜ、そんな方が燃料という極めて基本的な問題を見落としてしまったのか?


ここに『失敗の科学』の非常に重要なテーマがあります。


機長は、

集中していなかったのではありません。


むしろ逆。


集中しすぎていた


「車輪」という目の前の問題を解決することに意識が集中しすぎて、

飛行機全体に何が起きているのかを見る

視野を失ってしまった。


いわゆる

トンネル・ビジョン

です。


一つの問題に意識を奪われると、周囲から入ってくる重要な情報が見えなくなる。


さらにもう一つ問題がありました。


「機長に強く言えない」


周りのクルーも

燃料の危険に気づいていました。


しかし当時のコックピットには、

「機長が一番偉い」

という強い上下関係がありました。


だから、

「燃料、大丈夫でしょうか?」

というような伝え方になってしまう。


本当に必要だったのは、

「機長、今すぐ着陸してください。このままでは燃料がなくなります!」

というくらい明確な主張だったのかもしれません。


NTSBも事故原因について、機長が燃料状態と乗員からの助言に適切に対応できなかったことに加え、他の乗員が危険性を十分に伝えられなかったことを指摘しています。(NTSB⁠)


そして、この事故などを契機の一つとして航空業界では、

CRM(Crew Resource Management)

という考え方が発展していきます。



簡単に言えば、

「機長一人の能力に頼るのではなく、チーム全員の情報と判断力を使って事故を防ぐ」


という考え方です。(連邦航空局⁠)



これ、ラグビーでも同じじゃないでしょうか?


試合中にもありますよね?


例えば

「今日は外に展開する」

とゲームプランを決めた。


ところが試合が始まると、相手は外側を完全に守っている。

選手は感じています。


「今日、外ちゃうぞ」

「むしろ近場が空いてるぞ」


でも、

「監督が外に行けと言ったから」

と、そのまま続ける。


これでは、

コーチも機長も同じです。


あるいは監督が試合を見ながら、

「タックルが悪い!」

と思い込む。


するとタックルばかり修正し始める。


でも本当の原因は、その前のディフェンスラインのセットが遅いことかもしれない。


さらにその原因は、攻撃で簡単にボールを失っていることかもしれない。


つまり、

目の前の問題だけを見ていると、本当の問題を見失うことがある。


これが怖い。


「集中する力」と同じくらい「離れて見る力」が必要


スポーツでは、

集中しろ!

とよく言います。


もちろん集中は大切です。


でも『失敗の科学』を読んで思うのは、

本当に優れた選手や指導者には、

集中する力+俯瞰する力

この両方が必要なんじゃないかということです。



目の前のプレーに100%入る。


でも、ときどき視野を広げる。


「今、試合全体では

何が起こっている?」

と見る。



これは選手だけではありません。

コーチも同じです。



そして、もっと大切なこと


この事故からラグビーに一番必要だと思ったのは、

「下の人間が上の人間に意見を言えるチームをつくること」

です。


監督が間違っていると思ったら、

キャプテンが言える。


キャプテンが見えていなかったら、

一年生でも言える。


コーチが気づいていなければ、

選手が言える。


もちろん、好き勝手に文句を言うということではありません。


チームを良くするためなら、

立場に関係なく事実を伝えられる。


そんなチームではないでしょうか?



「監督の言うことを聞く選手」

だけを育てるより、


「自分で見て、考えて、必要なら監督にも意見を言える選手」


を育てる方が大切だと思います。


なぜなら、試合中にプレーしているのは監督ではありません。


選手です。


強いチームとは、

失敗しないチームではない


『失敗の科学』を読んでいると、何度も考えさせられます。


優秀だから

失敗しないわけではない。

経験があるから

失敗しないわけでもない。


むしろ、

「自分は分かっている」

と思った瞬間に、大切な情報が見えなくなることがある。


だから、

▪️失敗したら原因を探す

▪️違和感があったら声に出す

▪️立場が下の人の話にも耳を傾ける

▪️自分たちの常識を疑う


そして、

「今、自分たちが

見落としているものはないか?」

と問い続ける。


これが成長する組織なんだと思います。


ラグビーでも同じです。


パスミスした。

タックルを外した。

試合に負けた。


そこで、

「誰が悪かった?」

で終わるチームと、


「なぜ、それが起きたんだろう?」

と考えるチーム。


一年後には、とんでもない差になっているはずです。


飛行機であれば燃料計。

ラグビーであればスコア、時間、相手の変化、仲間の声。


目の前のプレーに夢中になった時ほど、

一度、頭を上げてみる。


そして自分に問いかけてみる。

「俺たち、今いちばん大事なものを見落としてないか?」 



もしかすると、

強いチームをつくるヒントは、

そんな問いの中にあるのかもしれません。


失敗は、隠せばただの失敗。


分析すれば、次に勝つためのデータになりますね!


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