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元ゴールドマンサックス社長が熊より速く走る必要はないと書かれてました

エディー・ジョーンズさんと持田昌典(元ゴールドマン・サックス社長)さんの対談本、

『Prepare to Win』

を読んでいました。


『勝つための準備』ですね!


その中で、


元ゴールドマン・サックスCEOで、後にブッシュ大統領の下でアメリカ財務長官を務めたヘンリー・ポールソンさんの例え話がありました。


「熊の話」

です。


熊が現れた!

2人の男がハイキングに出かけました。

山を歩いていると、

突然、目の前に大きな熊が現れます。


しかも熊は、

獰猛な目つきでこちらを見ている。


これはヤバい。


すると一人の男が、

重い登山靴を脱いで、

運動靴に履き替え始めました。



それを見たもう一人が言います。

「今頃、運動靴に履き替えてどうするんだ!」


「熊は君よりずっと速いぞ」


「どれだけ速く走っても、すぐ追いつかれる!」


ところが、

靴を履き替えていた男はこう答えます。


「熊より速く走る必要はない。

君より速く走れればいいんだ。」


そして熊がもう一人を襲っている間に、

運動靴へ履き替えた男は逃げていく。



この話を読んだ時、

これ、勝負の世界をものすごく分かりやすく表しているな。と、思いました。



ラグビーをしていると、

「もっと速くならないと」

「もっと強くならないと」

「もっと上手くならないと」

と思います。


もちろん、それは大事です。


でも、

いきなりそれぞれが日本一になる必要はありません。


例えば、

相手より0.1秒早く動く。

相手より一歩早く戻る。

相手より一本多く走る。

相手より早く起き上がる。

相手より早く次のポジションへ移動する。


それだけで、

試合の景色は変わってきます。


つまり、

熊より速くなる必要はない。


まずは、

目の前の相手より半歩先へ出ればいい。

勝負は「大きな差」で決まっているように見える

試合結果だけを見ると、

30対10。

40対15。

大きな差がつくことがあります。


すると、

「相手の方が強かった」

「身体が大きかった」

「能力が違った」

と思ってしまう。


でも試合を細かく見てみると、

本当に40点分の能力差があったのでしょうか?


そうではないことがあります。


相手より一歩戻るのが遅かった。

一人目のタックラーが0.5秒遅れた。


サポートが一歩遠かった。


倒れた後に起きるのが少し遅かった。


声を出すのが一瞬遅れた。

そんな、

小さな差。


その小さな差が、

10回、20回、30回と積み重なって、

最後には大きな点差になる。


つまり、

スコアボードでは大差でも、

始まりは、

ほんの半歩の差

だったりするんです。

講談社
講談社

運動靴に履き替える人になる

熊が現れてから、

「どうしよう!」

と考える。


それより、

熊が出るかもしれないと考えて、

あらかじめ準備している人の方が強い。


これはラグビーも同じです。


試合当日に、

「今日はタックル頑張ろう!」

と思う。

→→ 遅い。


試合当日に、

「今日は走り負けないぞ!」

と思う。

→→ 遅い。


試合当日に、

「今日は声を出そう!」

と思う。

→→やっぱり遅い。



本当の勝負は、

誰も見ていない練習の日から始まっています。


もう一本走るのか。

あと一本タックルするのか。

疲れた時に戻るのか。

自分の映像を見るのか。

身体のケアをするのか。

食事を考えるのか。

睡眠を取るのか。


こういう一つ一つが、

「運動靴へ履き替える」

ということなんでしょうね。


ただし、ラグビーでは仲間を熊に食わせたらアカン

ここだけは言っておかないといけません。


この話をそのままラグビーへ持ってくると、

「仲間より自分だけ速ければいい」

になってしまいます(笑)。


それではラグビーになりません。


ラグビーは、

一人だけ運動靴に履き替えて逃げるスポーツではない。

むしろ逆です。


15人全員が、

「熊が来るぞ。みんな運動靴に履き替えろ!」

と言えるチームが強い。


自分が早く準備する。


そして、

その基準を仲間にも伝える。

一人が早く戻れば、

隣の選手も戻る。

一人が声を出せば、

周りも声を出す。

一人が本気で練習すれば、

練習の基準が上がる。


そうやって、

個人の準備がチームの文化になる。


ここがラグビーの面白いところだと思います。


強いチームには「準備の普通」がある

強いチームを見ていると、

何か特別なことをしているように見えます。


でも実際には、

当たり前のレベルが高い。


時間を守る。

準備を早くする。

グラウンドに早く出る。

練習の意図を理解する。

ミスしたらすぐ戻る。

声を出す。

身体をケアする。

映像を見る。

こうしたことを、

誰かに怒られなくてもやる。


つまり、

運動靴に履き替えるとことが「普通」になっている。


これが強さなんじゃないでしょうか。


「まだ大丈夫」が一番怖い

熊の話で面白いのは、

熊が見えているのに、

一人は靴を履き替え、

もう一人は、

「そんなことをしても意味がない」

と言っていることです。


スポーツでもよくあります。


「そこまでやらんでもいいやろ」

「まだ時間あるし」

「別に今までこれでやってきたし」

「本番になったら頑張る」

でも、

勝負の世界では、

みんなが気づいてから動いたのでは遅いことがあります。


誰もやっていない時に準備する。


まだ必要ないと言われている時に始める。


そこで生まれた小さな差が、

数か月後には、

とんでもない差になります。


熊が出てから靴を探すな!

今、

履き替えよう。

今日の練習で。

今日の一本で。

今日の準備で。



まず、

昨日の自分より一歩速く。

そして、

目の前の相手より半歩先へ。

その半歩を、

毎日積み重ねる。

それが、

「勝つための準備」

なんだと思います。


試合の日に突然強くなるチームはありません。


勝負が始まるずっと前から、

もう勝負は始まっています。

さて。

今日、どんな「運動靴」に履き替えますか?


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